高断熱・高気密と換気扇

多くの方は「高断熱・高気密にした方が良い」と思われるでしょう。

しかし、その言葉だけが一人歩きすると、性能も良いけれど価格も高いという家になってしまい、結局建てられる人が限られたり無理なローンを組むことになってしまいます。

それでは意味がありません。

性能と価格のバランスが大切です。

松尾和也さんという高性能住宅で有名な方が、各住宅会社の性能をまとめた表を作成し公開しました。

予測や推測も入っているのですが、とても参考になり、この表から各社の考えがわかって来ました。

今回特に注目したのは換気扇の選び方です。換気扇には3つの方式があります。

① 第1種換気:吸気と排気を機械的に行う
② 第2種換気:吸気を機械的に行う
③ 第3種換気:排気を機械的に行う

です。

第1種換気の場合、吸気と排気を同時に行うため、多少気密が悪くても問題ありません。

しかし、第2種換気と第3種換気の場合、気密が悪いとショートサーキットと言って隙間から風が入ったり出たりしてしまい、

計画的な換気ができなくなってしまいます。

ですから気密を良くする事が大切なのです。

その事を頭に置いて上の表を見てみます。

気密が良い建物は1種の換気扇を使っていて、気密の取れていない建物(鉄骨系に多い)が2種か3種の換気扇を使っています。

考え方が逆ですね。

多少気密が悪くても1種の換気扇を使っていれば少しは良いのですが、そのようにしていません。

価格が高い鉄骨系の家なのですから2種3種の換気扇ではなくて1種を使っても良いと思うのですが。

元々気密の良い家を作っている会社は断熱も換気もこだわっているので1種を採用しているのでしょう。

「1種換気扇」にも2種類あります。

通常の空気を出しれする換気扇と、60〜70%の熱を取って置いてくれる「熱交換型」の換気扇です。

「1種だから良い換気扇」と思われている方もいらっしゃるようですが、「全熱交換型の1種換気扇」とは性能が全然違いますので、きちんと確認して下さいね。

高断熱・高気密と換気扇

 


+α ―松尾和也さん―
兵庫県出身、現在も兵庫で「松尾設計室」の代表取締役。高断熱高気密や、パッシブ系の家づくりをしています。私も、数年前に間取りの考え方などを教わった事があります。

ここ数年間で考えも計算も随分と変わって来ました。その時代の変化に適応するためにも、7月から「松尾流エコハウス塾」に参加する予定です。

本文に書けませんでしたが、2種3種の換気扇を寒い地域で使用すると、寒くなり過ぎる時があるそうです。

エスホームでは、全熱交換型の1種換気扇を使っています。外張り断熱を基本としていますので、予算に合わせた性能の調整もしやすいと実感しています。

 

 

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