3月に行ったセミナーで、すごい人の話を聞きました。
それが「岩崎 駿介」さん。
そのセミナーでは、あの伊礼 智さんや、松井 郁夫さんもいらっしゃったのですが、
全て岩崎さんが持っていってしまったという印象です。
岩崎駿介さんは、住宅設計の名門「東京学芸大」を出て、
ハーバード大で学び、横浜の都市計画を担当。
その後国連でアジアのスラムを担当し、
日本国際ボランティアセンターに参加しました。
64歳で都市に見切りを付け、茨城県石岡市に自力で家を建て始めます。
それも奥様と2人で。
基礎のコンクリートパネルから自作したそうです。
写真を見せていただきましたが、
木を使い少しアジアンテイストで素敵な家です。
その名も「落日荘」。
「落日荘」が、「JIA(日本建築家協会) 2011 環境建築賞 最優秀賞」を受賞します。
なんと、それまで作った建物は3棟。
たった3棟なのですが、今までの実績も評価されたのでしょう。
この岩崎さんが「新住宅設計10か条」を書いてくださっていますので、
要約して紹介させていただきます。
1 狭くても広くても、その「土地に内在するエネルギー(方位と気候風土)」を抽出して形化する。
2 人間は静止的に物事を捉えてはいない。すべては動きの中にある。
3 家族は、すべての社会的コニュニケーションの中核であり、ここがすべての出発点。
4 広がろうとする意識を、中途半端に遮ってはならない。拒否するなら石壁を持って拒否せよ。
5 広く狭く、高く低く、明るく暗く、リズムこそ飛躍の土台である。リズムこそエネルギー拡大の源である。
6 「染み入るような材質」に囲まれる事によって、優しい人格形成が可能である。
7 耐震性
8 温熱性
9 地産地消
10 人間は「自ら作る」ことによって、空間把握力が増大する。
従って、与えてはならない、作らせるのだ、参加を促すのだ。
建築家がすべてを支配する独善の世界は終わった。
人を招き入れて予期しない美を作ることである。
11 そのほか・・・落日荘で実現した事(8つあります)
10か条と言っていますが、11条ありました。
+α ―岩崎さんと松井さん―
松井郁夫さんは、古民家の研究や、木組みで有名な方なのですが、岩崎さんとの接触が昔あったのだそうです。それも22か23歳の時。岩崎さんに松井さんが会った時に「設計事務所を開設する時には入れてください。」と伝えたそうです。
岩崎さんは、全く気にも止めていなかったようですが。それだけ、知られていたのですね。
岩崎さんが、家づくりに出てくるのは、その人の「原風景」と言っていました。
伊礼さんは沖縄、松井さんは古い町家、岩崎さんは海外、ではないかとの事です。私の原風景は「天井の高い家」。実家の天井は、高かったんですよね。あなたの「原風景」は、何ですか?
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