「伊礼智さん?」と言ってもピンと来る方は少ないかもしれませんが、現在の住宅設計ではとても有名な方です。
雑誌にもよく掲載されていますし、収まり集(詳細設計図)も出しています。
多忙な方と思いますが、伊礼先生本人が講師となって伊礼先生が設計した住宅を見て話を聞ける塾を3回シリーズで開催すると言うので急いで申し込みました。
キャンセル待ちになった人気の塾です。
i-works4.0
第一回目は、なんと栃木市に伊礼先生が設計した「i-works4.0」と言うお家を見学させていただきました。
設計士は規格を嫌うことが多いのですが、伊礼先生は少しでもコストダウンするために規格を採用しています。
今回のお家も、モジュールを1.5間(2.73m)にしています。安くなった、と言っても坪90万円とか…高い!
中は、屋根の勾配を使った吹き抜けになっています。
開放感もありますが、壁の間隔が狭いのでそれほどでもありません。
また、伊礼先生のような設計士は、天井を低く設定します。2.1mが基準くらいです。
一般的なお家でも低くて2.4mくらいですから、立っているととても低く感じます。
それでも、座るとちょうど良い感覚になるようです。
今回のこのお家も、どのくらいの高さになるのか、ヒヤヒヤしたそうです。
南面サッシは、木で出来ています。1枚50万円くらいだそうです。
その外側に網戸と日除戸がついています。この日除戸は良いですね。
2階の天井も低いのですが、行き来するには十分な高さです。
窓からは屋根の上に出ることができます。
伊礼先生からは、様々な言葉をいただきました。
「若い住まい手の届くコストで」
「過剰ではなく実用的に」
「斬新でなく、居心地よく」
とても気さくに話してくださる方なのですが、一言一言に重みを感じさせられました。
+α ―伊礼智先生とは?―
沖縄生まれで琉球大学を卒業後、東京芸大美術学部建築科大学院修了。
宮脇檀さんの考え方を学んでいる。宮脇さんは、吉村順三に学び、吉村順三さんはアントニオ・レーモンドに学ぶ。
レーモンドは、帝国ホテルを作ったフランクロイド・ライト下で働き、中禅寺湖湖畔にある旧イタリア大使館日光別邸を設計した。伊礼先生の源流としてイタリア大使館日光別邸を見学したが、他にあるレーモンドの作品とはイメージが違っていたようだ。
コメント