朝日新聞の「負動産時代」という特集。
今までは資産と考えられていた土地や建物が、人を苦しめる事になる事が書かれています。
「こんな事レアなケースかな」と思っていたのですが、先日の見学会でもお客様からこれらの対応で大変な思いをしていると聞来ましたので、あなたにも他人事では無いかもしれません。
まずは相続。
土地を相続すれば好きな建物が建てられて良いな!と思うかもしれませんが、それだけではありません。
土地や建物に相続人が何人もいる場合、その土地や建物を売却しようとすると、全員の同意が必要です。
相続の手続きをしっかりとしていないと大変な事になってしまいます。
新聞の例では、80年前に亡くなった方の相続をしっかりとしていないくて、70人近くまで相続人が増えてしまったそうなのです。
売却しようとすると70人全員の同意が必要です。
しかし全員の同意は難しい。
ここでかかってくるのが固定資産税と都市計画税です。
この2つの税金で毎年35万円くらい払わなくてはいけません。
全員で支払うのが本当なのですが、仕方なく代表者が払っているようです。
マンションも深刻です。
古くなったり、震災で痛んだりした場合に土地ごと売却して清算しようとすると、これも全員の同意が必要なのです。
しかし、まだ住めると出ていかない人もいて売却できません。
この様な事が、実際に起こっているのです。
では、全く売買できないかというとそうではありません。
と言っても法律を犯しての話です。
これは、違法な手続きを経て不動産登記を書き換え、勝手に土地を売却してしまう方法です。
この詐欺師は「地面師」と呼ばれています。
最近でも「積水ハウス」がこの被害にあい63億円ものお金を騙し取られました。
空き家や高齢者が狙われやすいそうです。
土地や建物に関する権利は、法務局でしっかりと管理されていますが、売買や建て替えの時にしかその権利関係を見ることはありません。
注意しましょう。
+α ―不動産の揉め事を減らすには―
土地の揉め事で多いのが境界です。わかりやすく言うと、土地と土地の境がどこにあるかですね。分譲地などはわかりやすいですが、親から受け継ぐ時には曖昧になりがちです。元気なうちに確認しておきましょう。ポイントを写真で残しておくと良いですよ。
お金はかかるのですが、「境界協定」と言って測量士さんに頼んで、土地の境を法務局に登記してもらうとより良いですね。図面と座標で土地の境を残す事ができます。
土地の権利者を減らす事も大切です。兄弟とか親子で持つと、それぞれの家族ができたりした時に大変です。なるべく一人の人が持つ様にしましょう。
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